くらべどき

共有の不動産。何をするかで同意の要件が違う

調査・確認:くらべどき最終確認日:2026年9月21日

共有でもめるのは、何をするにも全員の同意が要ると思われているからです。民法は行為によって要件を分けています。使うのは持分に応じて単独で、管理は持分の価格の過半数、著しい変更は全員の同意、分割はいつでも請求できます。

使う。単独でできる

まず使用です。

「各共有者は、共有物の全部について、その持分に応じた使用をすることができる。(第二百四十九条第一項)」
e-Gov法令検索(デジタル庁)「民法(明治二十九年法律第八十九号)」2026-09-21に取得

ただし、持分を超えて使えば対価を払う

ここが見落とされます。ひとりが住んでいる場合に効きます。

住んでいる側が、住んでいない共有者に対価を償還する義務を負うという条文です。別段の合意があれば別です。もめている共有の多くは、この点が整理されていません。

「共有物を使用する共有者は、別段の合意がある場合を除き、他の共有者に対し、自己の持分を超える使用の対価を償還する義務を負う。(第二百四十九条第二項)」
e-Gov法令検索(デジタル庁)「民法(明治二十九年法律第八十九号)」2026-09-21に取得

変える。他の共有者の同意が要る

変更については同意が必要です。

かっこ書きに注意してください。形状や効用の著しい変更を伴わないものは、ここでいう変更から除かれています。

「各共有者は、他の共有者の同意を得なければ、共有物に変更(その形状又は効用の著しい変更を伴わないものを除く。)を加えることができない。(第二百五十一条第一項)」
e-Gov法令検索(デジタル庁)「民法(明治二十九年法律第八十九号)」2026-09-21に取得

管理する。持分の価格の過半数

管理は全員の同意ではありません。

頭数ではなく持分の価格で数えます。半分を超える持分を持つ人がいれば、管理に関する事項はその人の判断で決まります。

「共有物の管理に関する事項(…共有物に前条第一項に規定する変更を加えるものを除く。)は、各共有者の持分の価格に従い、その過半数で決する。共有物を使用する共有者があるときも、同様とする。(第二百五十二条第一項)」
e-Gov法令検索(デジタル庁)「民法(明治二十九年法律第八十九号)」2026-09-21に取得

分ける。いつでも請求できる

共有をやめたい場合です。

不分割の契約がある場合を除き、待つ必要はありません。

「各共有者は、いつでも共有物の分割を請求することができる。ただし、五年を超えない期間内は分割をしない旨の契約をすることを妨げない。(第二百五十六条第一項)」
e-Gov法令検索(デジタル庁)「民法(明治二十九年法律第八十九号)」2026-09-21に取得

話がまとまらないとき

協議が調わない場合の条文もあります。

「共有物の分割について共有者間に協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、その分割を裁判所に請求することができる。(第二百五十八条第一項)」
e-Gov法令検索(デジタル庁)「民法(明治二十九年法律第八十九号)」2026-09-21に取得

このサイトが扱わないこと

持分だけを単独で売れるかどうかについて、ここで引いた条文の範囲に明記はありません。 実務の扱いを条文で支えられないので、このサイトでは断定しません。

共有から抜けたいときの条文は共有物の分割で扱っています。

個別の共有関係でどう分けるか、誰がいくら払うか、裁判にしたときの見通しも扱いません。弁護士、司法書士にご確認ください。引用した条文は、e-Gov法令検索から二千二十六年九月二十一日に取得した現行法令です。共有の規定は令和三年の改正で変わった部分があります。

あなたの状況ではどうするか

自分は住んでいないのに、他の共有者が住んでいる
民法は、持分を超えて使用する共有者が他の共有者へ対価を償還する義務を負うとしています。別段の合意があれば別です。まず合意の有無を確かめてください。
自分が住んでいて、他の共有者から請求された
同じ条文が根拠です。別段の合意があったかどうかが分かれ目になります。金額の妥当性はこのサイトでは扱えません。弁護士にご確認ください。
貸したい、リフォームしたい
どちらにあたるかで要件が変わります。管理なら持分の価格の過半数、形状や効用の著しい変更を伴うなら他の共有者の同意です。どちらに当たるかの判断は専門家に確認してください。
共有をやめたい
民法は、各共有者がいつでも分割を請求できるとしています。五年を超えない不分割の契約がある場合を除きます。協議が調わないときは裁判所に請求できるとも定められています。
他の共有者と連絡が取れない
条文には、所在が分からない共有者がいる場合の裁判の仕組みがあります。ただし手続きの要否と進め方は個別の事情によります。司法書士、弁護士にご確認ください。

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