再建築不可の家をどこまで直せるか
分かれ目は主要構造部の過半かどうかです。建築基準法は大規模の修繕と模様替をそう定義し、それに当たる工事には確認申請を求めています。接道を満たさない敷地では確認が通らないため、過半に及ぶ工事は実際には進みません。
まず、なぜ建て替えられないのか
接道の条文です。
これを満たさない敷地では、新しく建てるための確認が通りません。理由の詳細は再建築不可物件とはで扱います。
「建築物の敷地は、道路(次に掲げるものを除く。第四十四条第一項を除き、以下同じ。)に二メートル以上接しなければならない。(第四十三条第一項)」
大規模の修繕とは何か
言葉が法律で定義されています。
主要構造部の一種以上について行う過半の修繕。 過半という言葉が線を引いています。
「大規模の修繕 建築物の主要構造部の一種以上について行う過半の修繕をいう。(第二条第十四号)」
模様替も同じ定義
次の号です。
修繕と模様替で、同じ線が引かれています。
「大規模の模様替 建築物の主要構造部の一種以上について行う過半の模様替をいう。(第二条第十五号)」
大規模に当たると、確認申請が要る
手続の条文です。
大規模の修繕・模様替をしようとする場合が、建築と並べて書かれています。 ここが再建築不可の物件で効いてきます。
「建築主は、第一号若しくは第二号に掲げる建築物を建築しようとする場合…これらの建築物の大規模の修繕若しくは大規模の模様替をしようとする場合…においては、当該工事に着手する前に、その計画が建築基準関係規定…に適合するものであることについて、確認の申請書を提出して建築主事又は建築副主事…の確認…を受け、確認済証の交付を受けなければならない。(第六条第一項)」
どの建物が対象か
号に規模の定めがあります。
2以上の階数を有し、または延べ面積が200平方メートルを超える建築物。木造の二階建てはこれに当たります。平屋でも延べ面積で当たることがあります。
「前号に掲げる建築物を除くほか、二以上の階数を有し、又は延べ面積が二百平方メートルを超える建築物(第六条第一項第二号)」
小さな増築には適用しない定めもある
例外の項です。
床面積の合計が10平方メートル以内。 ただし防火地域と準防火地域では適用されず、また増築・改築・移転についての定めなので、修繕と模様替には及びません。
「前項の規定は、防火地域及び準防火地域外において建築物を増築し、改築し、又は移転しようとする場合で、その増築、改築又は移転に係る部分の床面積の合計が十平方メートル以内であるときについては、適用しない。(第六条第二項)」
このサイトが扱わないこと
自分の工事が過半に当たるかどうかの判断、工事費用、確認が通るかどうかは扱いません。建築士または特定行政庁の建築指導課にご確認ください。
引用した条文は、e-Gov法令検索から二千二十六年九月二十一日に取得した現行法令です。
あなたの状況ではどうするか
- 内装だけ新しくしたい
- 主要構造部の過半に及ばなければ、大規模の修繕にも模様替にも当たりません。どこまでが主要構造部かを建築士に確かめてください。
- 屋根や柱をまとめて直したいと言われた
- 過半に及ぶなら大規模の修繕に当たります。条文はその場合に確認申請を求めています。接道を満たさない敷地では確認が通りません。
- 小さく増築したい
- 防火地域および準防火地域の外で、床面積の合計が一定以下であれば適用しないという項があります。自分の敷地がどの地域かを、市区町村の窓口で先に確かめてください。
- 業者から確認申請は不要だと言われた
- その根拠を条文で示してもらってください。過半に当たらないからなのか、規模の号に当たらないからなのかで、話が変わります。
- そもそも売りたい
- 直してから売るか、そのまま売るかで進め方が変わります。建て替えられない理由が接道なのか、用途地域なのか、条例なのかを先に確かめてください(再建築不可物件とは)。再建築不可物件とはで扱っています。
このページの根拠
- e-Gov法令検索(デジタル庁)「建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)」2026-09-21取得