「浮き」の直し方は1つではない
直し方は4つに分かれます。局所の浮きはエポキシ樹脂注入、広い浮きや落ちると危ない面はアンカーピンニング、割れ・欠けは部分張替え、面全体の予防は剥落防止工法。どれになるかは浮きが層のどこで起きているかと、その広さで決まります。戸建てでもマンションでも、この分かれ方は同じです。 浮き=全面張替えではありません。張替えがいちばん高く、廃番タイルの問題も起きます。
断面のどこを直すか
どれを使うかは浮きの位置(どの界面か)・広さ・立地(人が下を通るか)で決まる。「浮き=全面張替え」ではない。提案された工法の理由を聞くことが見積もりの読み方の第一歩になる。
工法より先に、数量が決まる
手の届く範囲を打診棒で叩いて出た「浮き2㎡」では、工法を決められません。叩けたのは足場なしで届いた面だけで、建物のどれだけが浮いているかはまだ分かっていないからです。数量が変われば答えも変わります。注入で足りるのか、面で張り替えるのか、足場をどこまで組むのか。順番は足場を組む → 全面を打診する → 数量を確定する → 工法を決める。先に工法と金額だけが書かれた見積もりが出てきたら、数量の根拠を聞いてください。
張替えで起きること
- 同じタイルが手に入らない。廃番なら近似色での張替えになり、補修跡が見えます。焼き物なので、同じ品番でもロットで色が違う
- 下地から作り直すぶん、注入系より単価が上がります
- 割れ・欠け・すでに剥がれ落ちた箇所は下地から直すので、張替えになります。浮きだけなら注入系で済むこともあります
剥落防止工法と保証
面全体を繊維シートや樹脂被膜で押さえる工法のまとまりで、長期の剥落保証を付ける会社があります。掲載社ではKFタイルホールド工業会が「施工後最長10年間、外壁タイルが地面に落下しないことを保証」と明記していました。この分野には外壁剥落防止協会(2017年設立・会員52社)があり、掲載8社では ニーズワンが営業会員だと会員一覧で確認できます(2026年8月23日)。
工法の名前を1つ知っているだけで、見積もりの「数量×単価」の行が読めるようになります。提案された工法の理由、つまり浮きが層のどこで起きているのかを聞いてみてください。そこに具体的に答えられるかどうかが、素人の側で使える数少ない手がかりになると思います。
掲載している8社
2026年8月23日に確認。並びは社名の50音順です。
- アクト・ファクトリー京都府・埼玉県
- MLDK愛知県
- 角七窯業北海道
- KFタイルホールド工業会対応エリア確認できず
- ジェブ(EPMCOAT)神奈川県・東京都
- スエヒロ工業静岡県・東京都・北海道
- ニーズワン東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県
- パル・ユニット東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県
社名に添えたのは、公式サイトに対応エリアの記載がある社はその記載、無い社は拠点からの推定です。推定の社には、来てもらえるかを最初に聞いてください。工法・調査方法・保証は8社の比較表で項目ごとに見られます。