借地権の更新を求められた
建物がある場合に限り、更新を請求すれば従前と同じ条件で更新したものとみなすと条文にあります。地主が異議を述べるには正当の事由が必要です。更新料については、これらの条文に定めがありません。
更新後の期間
まず期間の条文です。
最初の更新とそれ以降で長さが違います。契約でより長く定めることはできます。更新前の期間は借地権とは何かで扱っています。
「当事者が借地契約を更新する場合においては、その期間は、更新の日から十年(借地権の設定後の最初の更新にあっては、二十年)とする。ただし、当事者がこれより長い期間を定めたときは、その期間とする。(第四条)」
更新を請求したとき
更新の仕組みです。
建物がある場合に限りという条件が入っています。建物が無ければこの条文は働きません。
「借地権の存続期間が満了する場合において、借地権者が契約の更新を請求したときは、建物がある場合に限り、前条の規定によるもののほか、従前の契約と同一の条件で契約を更新したものとみなす。ただし、借地権設定者が遅滞なく異議を述べたときは、この限りでない。(第五条第一項)」
請求しないで使い続けたときも同じ
次の項です。
黙って使い続けた場合にも、同じ扱いが用意されています。
「借地権の存続期間が満了した後、借地権者が土地の使用を継続するときも、建物がある場合に限り、前項と同様とする。(第五条第二項)」
地主の異議には条件がある
異議を述べられる場合の条文です。
正当の事由があると認められる場合でなければ述べることができない。 何を考慮するかも条文に並んでいます。双方が土地を必要とする事情、従前の経過、利用状況、そして明渡しと引換えの財産上の給付の申出です。
「前条の異議は、借地権設定者及び借地権者…が土地の使用を必要とする事情のほか、借地に関する従前の経過及び土地の利用状況並びに借地権設定者が土地の明渡しの条件として又は土地の明渡しと引換えに借地権者に対して財産上の給付をする旨の申出をした場合におけるその申出を考慮して、正当の事由があると認められる場合でなければ、述べることができない。(第六条)」
更新料が出てくるのはここだけ
更新の条文を通して読むと、借地権者が更新料を払う義務を定めた条文はありません。 金銭が出てくるのは、いま見た正当の事由の判断で、地主の側が明渡しと引換えに給付を申し出た場合を考慮するという文脈です。向きが逆です。
契約書に更新料の定めがある場合にそれが有効かどうかは、このサイトでは判断しません。次の条文があることだけは確かめられます。
借地権者に不利な特約
この節の締めくくりの条文です。
契約書の条項がこれに当たるかどうかは、弁護士にご確認ください。
「この節の規定に反する特約で借地権者に不利なものは、無効とする。(第九条)」
登記が無くても対抗できる場合
更新の話とは別に、知っておくと違う条文があります。
借地権そのものを登記していなくても、その土地の上に自分名義で登記した建物があれば対抗できる。 土地が売られたときに効いてきます。
「借地権は、その登記がなくても、土地の上に借地権者が登記されている建物を所有するときは、これをもって第三者に対抗することができる。(第十条第一項)」
このサイトが扱わないこと
更新料の相場、契約書の条項が有効かどうか、正当の事由が認められるかどうかは扱いません。弁護士にご確認ください。古い契約では更新の扱いが変わることにも注意してください。
引用した条文は、e-Gov法令検索から二千二十六年九月二十一日に取得した現行法令です。
あなたの状況ではどうするか
- 更新料を払わないと更新できないと言われた
- 更新の条文に、借地権者が更新料を払う義務の定めはありません。契約書に定めがある場合にそれが有効かは別の話なので、契約書を持って弁護士にご相談ください。
- 建物を取り壊してしまった
- 更新の条文には「建物がある場合に限り」という条件が入っています。建物が無い状態では、この条文による更新のみなしは働きません。
- 地主から更新しないと言われた
- 異議を述べるには正当の事由が必要だという条文があります。考慮する事情も条文に列挙されています。認められるかは裁判所の判断です。
- 土地が第三者に売られた
- 借地権を登記していなくても、その土地の上に自分名義で登記した建物があれば対抗できるという条文があります。建物の登記名義を確かめてください。
- 契約が昭和の日付だ
- 借地借家法の附則により、施行前に設定された借地権の更新は、なお従前の例によるとされています。旧借地法で読む部分があります(地上権か賃借権か、旧法か新法か)。
このページの根拠
- e-Gov法令検索(デジタル庁)「借地借家法(平成三年法律第九十号)」2026-09-21取得