そのヒビ、直して済むのか
業界に共通の基準はありません。可否を公開している6社を並べると、ガラスの下端から外す範囲が8cmから30cmまで開いていました。 1社に「交換です」と言われても、それはその店の線。別の店なら直ることがあります。 6社に共通していたのはえぐれと欠けは交換という点だけでした(2026年8月23日確認)。
線に伸びたヒビは交換になりやすい
上の基準はどれも「点の傷」の直径の話です。飛び石が当たってできた欠けや星型の傷に、 100円玉や10円玉を当てて見ています。線に伸びたヒビの長さに基準を置いていたのは6社中1社だけでした(ネクサス岡山の「修理可能なサイズは2cm程度のヒビまで」)。
10cmの線が入っているなら、公開されている基準のどれにも当てはまりません。 交換になる公算が大きいものとして動くほうが、時間を損しないと思います。ただし絶対に無理というわけでもないので、写真を撮って2〜3社に送ってみる価値はあります。判定が店の経験と設備で変わるからです。グラスピットも「経験豊富な専門店のスタッフがガラスの傷の状況から、適切に判断をいたします」と書いています。
線のヒビは、待つほど不利になります。 ジャパンオートガラスは「自動車のフロントガラスは走行中のボディ剛性を支えているため、段差の衝撃、ドアの開閉圧、車内外の寒暖差などで、ある日突然一気にヒビが数十センチ以上伸びることがあります」と書いています。伸びきれば残るのは交換だけ。視界にかかれば車検にも通りません。
出典は6社の公式サイト(2026年8月23日確認)。線のヒビの可否を書いていたのは1社で、残る5社に記載はありません。
店ごとの線を並べて見る
| 会社 | 大きさの上限 | 外れる位置 |
|---|---|---|
| ジャパンオートガラス | 直径1.5cm以内 | 上部4cm・左右4cm・下部8cm |
| グラスピット | 100円硬貨まで | 下から30cm・フチから10cm |
| AGエキスパート | 100円玉まで | 下から30cm・上か横から10cm |
| ネクサス岡山 | 100円玉未満(2cm程度まで) | 上と横は黒縁から5cm・下は10cm |
| ウエラ名古屋 | 10円玉で隠れる大きさ | 記載なし |
| 新潟オートガラス | 10円玉で隠れる(目安2.5cm) | 記載なし |
1社に「交換です」と言われても、それは業界の判定ではなくその店の線引きです。 下端8cmで直す店と、30cm以内は断る店が同じ表に並びます。境目に近い傷なら、写真を送って2〜3社に聞く価値があります。えぐれ・欠けのある傷だけは、どの店でも樹脂が入らないため交換になります。
なぜ「削って直す」ができないのか
直すまでの応急処置
- 傷の上に透明テープを貼る。水と汚れが入るとリペアの仕上がりが落ちます。貼る位置が運転者の視野を邪魔しないかは確かめてください
- 急な温度差をつくらない。デフロスターの全開、熱湯、洗車機はヒビを伸ばします
- 段差と高速走行を控える。振動でも伸びます
- 市販のリペアキットで自分で埋める手もあります。ただし失敗すると店でも直せなくなり、交換しか残りません。1〜2万円を惜しんで取り返しがつかなくなる形なので、勧めません
放置するとどうなるか
ヒビそのもので、すぐ走れなくなるわけではありません。迫るのは2つの期限です。ひとつは伸びて直せなくなること。もうひとつが車検で、保安基準は「運転者の視野を確保できること」を求めているので、視野にかかるヒビは通りません(車検とヒビ)。リペアなら1〜2万円、交換に回ると実額で48,400円からです(費用)。
実額を公開している3社
2026年8月23日確認。
並びは確認できた最低価格の安い順。ここに出ているのはその社でいちばん安いプランの額で、あなたの車の値段ではありません。ジャパンオートガラスの48,400円も カローラ120系(2000〜2006年式)の輸入社外品という条件つきで、車種ごとに別の料金表があります。 12社の比較表も見られます。