チャーター便を頼む前に確かめる、許可と登録の違い
他人の荷物をお金をもらって運ぶ会社には、自分の車で運ぶ「実運送」と、よその車を使う「利用運送」があり、決まりの重さが違います。実運送は許可制、利用運送はそれより軽い登録制です。見積もりの相手がどちらの形で車を出すのかを、契約する前に確かめてください。
実運送と利用運送、何が違うか
貨物利用運送事業法の第2条1項は、自分の車を使って荷物を運ぶことを「実運送」と呼ぶと定めています。これに対して、他の運送会社の車を借りて運ぶことは「利用運送」と呼ばれます。チャーター便を頼むとき、依頼した会社が自分の車で運ぶのか、忙しい時期などに他の会社の車を手配して運ぶのかは、見ただけでは分かりません。
掲載社のうち神都輸送は、事業内容の欄に「利用運送事業」と書いています。自分の便が埋まっているときは、他の会社の便を使って引き受けているのかもしれません(公式サイトで2026年9月2日に確認)。悪いことではありませんが、荷主にとっては「誰の車が来るのか」が変わる点です。
許可制と登録制、規制の重さの違い
貨物自動車運送事業法の第3条は、この事業を営もうとする人には国土交通大臣の許可が要る、と定めています。同じ法律の第2条2項は、この事業を「他人の求めに応じて、お金をもらって、車で荷物を運ぶこと」と説明しており、 2t車・4t車・10t車などをチャーターする仕事はここに入ります。
一方、貨物利用運送事業法の第3条が定める第一種貨物利用運送事業(利用運送だけを行う事業)は登録制です。許可制のほうが審査や監督が重く、車両や運行の管理、安全を保つ体制まで審査されます。なお軽自動車だけを使う事業(貨物軽自動車運送事業、いわゆる軽貨物)は同じ法律の第2条4項で別の区分にあたり、こちらは届出だけで済みます。2t車以上のチャーター便とは、規制の重さが違います。
見積もりで確かめること
- 自社の車両で運ぶのか、他社便を利用することがあるのか
- 一般貨物自動車運送事業の許可、または貨物利用運送事業の登録を受けているか(公式サイトに記載がない会社には、電話で聞いてください)
- 許可番号や登録番号の開示を求められるか
掲載7社のうち、自社サイトに一般貨物自動車運送事業などの許可区分を明記していたのは神都輸送1社だけでした。残り6社は「確認できず」です。記載がないことは、許可を持っていないことを意味しません。公式サイトに書いていないというだけです。
出典
- 貨物自動車運送事業法(平成元年法律第八十三号)第2条・第3条。原文はe-Gov法令API(
elaws.e-gov.go.jp/api/1/lawdata/401AC0000000083)で2026年9月2日に確認 - 貨物利用運送事業法(平成元年法律第八十二号)第2条・第3条。原文は同APIで2026年9月2日に確認