羽アリが出た。殺す前に見分ける
羽アリを退治しても、巣は家の中や地面の下に残ります。先に見分けてください。日本しろあり対策協会は、触角・翅・腰の三点でシロアリとクロアリを区別できるとしています。シロアリなら、飛んでいる個体は被害のごく一部です。
三点で見分ける
協会が挙げている見分け方をそのまま示します。翅が落ちていれば、その翅だけでも判断できます。
「アリの触角は「く」の字状をしていますが、シロアリの触角は真珠のネックレスのように数珠状をしています。アリの翅は前翅が後翅より大きいのに対して、シロアリの翅は4枚ともほぼ同じ大きさ・同じ形をしています。アリは腰の部分が細くくびれていますが、シロアリはくびれはなく寸胴です。」
どのシロアリかで話が変わる
建物を加害するシロアリは限られています。
そして種類によって住んでいる地域が違います。自分の地域に分布していない種類を心配しても意味がありませんし、逆に該当する地域なら可能性は高くなります。
「日本には現在22種のシロアリが生息していますが、建築物を加害するシロアリは主にヤマトシロアリとイエシロアリです。そのほか、最近“乾材シロアリ”の仲間であるアメリカカンザイシロアリとダイコクシロアリの被害が増えてきています。」
分布
協会が示す分布です。
「ヤマトシロアリは北海道北部を除く日本全土に、イエシロアリは神奈川県以西の海岸線に沿った温暖な地域と千葉県の一部、それに南西諸島、小笠原諸島に分布しています。」
羽アリより先に見るべき痕跡
羽アリは年に一度の群飛でしか見られません。一方、巣の痕跡は普段から残っています。協会は誰でも確かめられる手がかりとして、蟻道、蟻土、食痕、空洞音、建物の異常、群飛、乾材シロアリの糞を挙げています。
いちばん見つけやすいのが蟻道です。
壁の中や床下にできることもありますが、基礎の立ち上がりなら外から見えます。
「シロアリは地中から蟻道をつくって建物へ侵入してくることが多いので、時どき建物の基礎や束石、土台などに蟻道がついていないかを確かめましょう。」
叩いて確かめる
見えている木部なら、その場で確かめられます。
ただし、ドライバーで簡単に穴があく状態なら、すでに構造材が食われています。自分で穴を広げないでください。
「シロアリ被害の進んだ木材はハンマーでたたくと空洞音がしたり、ドライバーでほじくると簡単に穴があきます。」
この出典の立場
ここまでの引用は公益社団法人 日本しろあり対策協会のものです。シロアリ防除業者の業界団体で、会員企業への依頼を促す立場にあります。生態と見分け方の記述は専門的ですが、対処の結論部分はその立場を踏まえて読んでください。
あなたの状況ではどうするか
- 羽アリの死骸も翅も残っていない
- 見分けはあきらめて、痕跡のほうを探してください。基礎や束石、土台に蟻道が付いていないかを見ます。蟻道が見つかれば羽アリの種類が分からなくても話は進みます。
- 触角が数珠状、翅が四枚とも同じ大きさ、腰がくびれていない
- シロアリの羽アリです。群飛した個体は巣の一部でしかないので、殺虫剤で飛んでいるものを片付けても被害は止まりません。蟻道の有無を確かめて、床下のシロアリを見てもらう段取りに進んでください。
- 触角が「く」の字、前の翅が大きい、腰がくびれている
- クロアリです。家の木材を食べる被害は前提が違うので、シロアリ向けの対策をそのまま当てはめないでください。ただし、クロアリがシロアリを捕食しに来ていることもあります。蟻道は一度見ておいて損はありません。
- 北海道の北部に住んでいる
- 協会の分布では、ヤマトシロアリは北海道北部を除く日本全土とされています。地域によっては、そもそも該当しない可能性があります。ただし乾材シロアリは輸入家具などで持ち込まれることがあるため、分布だけで否定はできません。
- 家具から砂粒のような糞が出ている
- 乾材シロアリの可能性があります。地面とつながっていなくても被害が出る種類なので、床下だけを見ても見つかりません。被害箇所を伝えたうえで調査を依頼してください。
- 見積もりを取る段階になった
- 金額だけを並べても比べられません。想定している種類、見る範囲、含む作業、保証の四つをそろえてから比べてください。シロアリ駆除の見積もりにその四つをまとめてあります。
このページの根拠
- 公益社団法人 日本しろあり対策協会「シロアリQ&A」2026-09-21取得